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2005/04/28

あさのあつこ「バッテリー」

あさのあつこの「バッテリー」、「バッテリー2」を読んだ。

「本の雑誌」が選ぶ2004年度文庫ベストテン第1位ということで、けっこう読んでいる人は多いらしい。
どこの書店でも平積みになっているし。

主人公巧(たくみ)の小学校卒業後の春休みから物語ははじまる。
巧は天才ピッチャーでそれゆえ、傲慢であり、人の気持ちを察することができない。
だが決してイヤミな人間ではない。
まっすぐすぎて、不器用なだけだ。
学生時代、何人かそんな奴はいた。
根性のねじまがっていたおれは、そういう奴等がうらやましかった。
どんな不合理なことでも、反発するまえに大人が言うことだから、みんながやっていることだからと、すぐに迎合してしまっていた、おれ。
だから、この主人公もとてもまぶしく見えるのだ。

彼は、引越し先の祖父の住む町で、少年野球でキャッチャーをやっていたという豪という少年と出会う。
そして二人がバッテリーを組むことになるのだが…。

読んでいると主人公の巧という少年に、ハラハラドキドキさせられるのである。
おまえ、もう少し要領よく生きられないのかと声をかけたくなるのである。
親切にしてくれた友達にも、ぶっきらぼうにしか答えられない奴なのだ。

2巻になって中学に入学すると、彼のまっすぐさがいろいろと騒ぎをまきおこす。
しかし、彼の心中はただ野球がやりたいだけなのだ。
1巻も面白いが、理不尽な野球部の監督(というよりこれが今の典型的な監督だろう)や先輩と対決する2巻の方がスリリングな展開で読み応えがある。

バッテリー
あさの あつこ

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コメント

あさのあつこは「テレパシー少女蘭」もいいですね

投稿: ニンジンキャベツサラダ | 2005/04/28 01:06

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