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2005/08/15

もうひとつの失踪日記だ「55歳の地図」

黒咲一人の「55歳の地図 実録!リストラ漫画家遍路旅」(日本文芸社)という漫画を読んだ。

「ハスラー・ザ・キッド」、「無頼風」等の作品で知られる著者だが、あるときからばったり原稿依頼がとだえ、家財道具を処分し、部屋をひきはらい、自分が生きていく道を探すために放浪の旅に出る。
そして、あてのない放浪の旅よりはましと「四国遍路」をすることにする。

この漫画はその四国遍路の道中で起こったことを、日記のように描いた漫画である。

三輪自転車に20キロ近い家財道具を積んで出発するのだが、いきなりパンクし予約していたフェリーに乗り遅れる。
そんなのは、序の口で数々の不幸が著者を襲う。
しかも、冬から遍路をはじめてしまったものっだから、寒さとの戦いもある。
金もないので、最後の目的地高野山に着くまでには一日300円しか使えない。

最初のころは、まるで死に場所を求めるように旅していた著者だが、親切な人たちとの出会いによって、しだいに生気を取り戻していく。
ともかく、人は一人では生きていけないということを教えてくれ、生きる勇気を与えてくれる作品である。

55歳の地図
黒咲 一人
4537104074

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» 『55歳の地図』 [gekka blog]
55歳の地図posted with amazlet at 05.08.19黒咲 一人 日本文芸社 (2005/05/19)売り上げランキング: 7,149Amazon.co.jp で詳細を見る 19歳でデビューした漫画家が、描く場所を失い(要するに仕事がなくなり)、自らの過去の原稿を含む家財道具仕事道具のすべてを棄てて、自転車に荷物を積んでお遍路となって八十八カ所を巡る、という実録マンガ。 面白かった! 11月の末から、翌年の1月末にかけて、という厳寒のシーズンに自転車(徒歩)で回っているので、とに... [続きを読む]

受信: 2005/08/19 23:16

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