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2006/03/26

死者の書

岩波ホールで映画「死者の書」を見た。
監督は川本喜八郎、原作は折口信夫。

悲劇の皇子、大津皇子は死刑の直前に見た女性への執心から亡霊となり甦る。
その亡霊と心通じあうことができる、藤原南家の郎女がその皇子の亡霊が裸で現れることに心を痛め、蓮の糸を織った布で着物を作ろうとする。

とても幻想的で不可思議な物語である。
だからこそ、生身の人間が演じると陳腐になりかねないが、人形アニメーションだとしっくりとくる。
無表情のはずの人形の表情がだんだん豊かに見えてくる。
また物語をどう解釈するのか見た者にゆだねられているのもいい。

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2006/03/23

「ウェブ進化論」 ゲイツ帝国の終焉?

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まるウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫

筑摩書房 2006-02-07
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梅田望夫「ウェブ進化論-本当の大変化はこれから始まる」(ちくま新書)を読んだ。

いまのインターネットの変化についていけてる人もそうでない人にも両方におすすめの本。
特にグーグルが何をやろうとしているのかがよくわかる。
そして、IT業界の覇権がマイクロソフトからグーグルに移るような確信を与えてくれる本である。
コンピューターのこちら側(個人、企業が所有するハード)を代表する企業がマイクロソフトなら、あちら側(ネット空間)を代表するのがグーグルということだ。
そしてグーグルの野望が達成されたときには、もう我々はゲイツ君にお布施する必要もなくなるわけである。
しかし、その一方で個人の細かな好みまでグーグルに握られ、メールにはその内容にマッチした広告へのリンクがついてくるなんてことにもなるらしい。
結局、どっちもどっちなのか。

その他にもネットのいろいろな可能性にも言及されていて、ひょっとするとすばらしい未来が待ちかまえているのかもという気にさせてくれる。
IT関係の未来を占うのはむずかしいが、少なくともこの本を読めば五年先ぐらいは予測できる。
いや、あくまでそんな気がするというはなしだが。

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2006/03/19

逆まわりの世界

逆まわりの世界逆まわりの世界
フィリップ K.ディック 小尾 芙佐

早川書房 1983-01
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フィリップ・K・ディック「逆まわりの世界」(ハヤカワSF文庫)を読んだ。

死者が墓場からよみがえり、だんだん若返っていきやがて子宮に帰っていくという異常な世界が舞台。
タバコは煙を吸い込んでいくうち、だんだん長くなっていき、新品の一本となる。
しかし、会話は別に逆さにしゃべらなくてもちゃんと通じるというのがミソ。
もし、そうだったら読みづらくてしょうがないから妥協しているのか。

そういう世界だから、図書館が権力を握っている。
その時代にあってはならない、本や論文を消去していくのが仕事だ。

主人公は、墓場からよみがえった男、セバスチャン。
仕事は、よみがえった死者を墓から掘り出してやる業者の代表者。
彼がユーディ教という宗教の教祖を掘り返したことから騒動がはじまっていく。
彼を手にいれたい教団、秘密裏に処分したい図書館、高く誰かに売り飛ばしたいセバスチャンなどが入り乱れて、かけひきが展開していく。
SF好きにたまらない、ケレン味あふれる作品である。

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2006/03/18

君よ憤怒の河を渉れ

君よ憤怒の河を渉れ君よ憤怒の河を渉れ
高倉健 原田芳雄 池部良

ジェネオン エンタテインメント 2001-12-21
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家で映画「君よ憤怒の河を渉れ」を見た。

監督は「男たちの大和」の佐藤純彌、主演は高倉健。
いわずと知れた「新幹線大爆破」のコンビである。

冒頭いきなり、健さん演じる検事の杜岡は偽証により強盗強姦と窃盗の容疑で逮捕される。
しかし、現場検証中に脱走をはかり自分の無実を証明するため逃亡しながら真相を探っていくというストーリー。

ありえねーという強引なシーンの連続なのだが、そこを巧みにつないでいくのはさすが佐藤純彌監督。
熊に襲われているところを助けてあげた中野良子との間に生まれるロマンスや追っ手側の刑事原田芳雄との奇妙な友情もいい。

最近とかく純愛モノやお涙ちょうだいモノに走ってしまう邦画界にあきてきたオレには十分楽しめたド派手なエンターテイメントであった。

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2006/03/13

村上春樹VS安原顕

文芸春秋四月号に載った村上春樹「ある編集者の生と死 安原顕氏のこと」を読んだ。
テレビでも取り上げられた村上春樹の生原稿流出事件の経緯に興味があったからだ。
だが記事を読んでよくわからない部分がある。
村上春樹は、安原顕のことを友人だと思っていたという。
しかし、ある日突然彼の態度が豹変して、村上春樹のことを罵倒しはじめた。
そして村上春樹自身その原因に思いあたらないという。

安原顕は、生前自分のことを天才とよく言っていたが、こういう人物は小心者が多い。
なかなかサラリーマンをやめられなかったことでも、それがよくわかる。
たしかに氏は天才だったかもしれないが、お金にもどん欲だったのだろう。
そして、取り返しのつかない汚点を残した。

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2006/03/08

福翁自伝

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福沢 諭吉

岩波書店 1978-01
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福沢諭吉「福翁自伝」(岩波文庫)を読んだ。

この本、明治32年に発行された本だけにみんな難しい本だと思って、敬遠しているのではないだろうか。
しかし、ちゃんと口語文で書かれているので、読みはじめればすらすら読める。

さすがに福沢先生は、いいことを言っている。
将来出世しようとか、金を手に入れようなんて考えていると、真の勉強はできないと。
日本の子供が勉強を嫌いになってしまうのも、原因はここにあるのではないだろうか。
子供になんで勉強するの?と聞かれたときに、いい大学に入って、いい会社に入るためだと答えている親が多いのではなかろうか。

あと、心に残ったのは先生が緒方洪庵の塾にいたとき、大切な洋書を借りてきて、ほとんど徹夜で塾生が総がかりで、その本を写本する場面。
今ならコピーであっという間なのに、昔の人は大変だったんだなあと思った。

ともかく幕末の世相や、留学先のアメリカやヨーロッパの事情など、面白いエピソード満載の本である。

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2006/03/05

ZガンダムⅢ まだ終わらんよ

昨日映画「機動戦士ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛」を見た。

ネタバレでいきますので見てない人は注意。

あいかわらず新作カットがそれほどないのね。
あのテレビ版の画面をスクリーンで見せられるのはつらい。
おれは、ヘンケン艦長が亡くなるシーンだけが楽しみでいったのにあのシーンがテレビ版の流用だったのには萎え。
でヘンケン艦長が死んだあとはストーリーはどうだっていいので、あまり記憶にない。

さんざん、ラストが変わると宣伝されていたから、大きく変わるのかと思ったけど結局カミーユの精神が崩壊しないだけじゃん。
アムロが宇宙空間に出てくるかと思ったが、やはり一年戦争の後遺症は大きく、まだ無重力空間には出れなかったのだろう。結局地上で傍観していただけとは。

ということでZガンダム映画版三作とは、なんだったのだろう。
作品から見るかぎり富野監督のモチベーションがそれほど高かったとは思えない。
結局バンダイビジュアルの商売に利用されただけなのだろうか。

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