逆まわりの世界
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フィリップ・K・ディック「逆まわりの世界」(ハヤカワSF文庫)を読んだ。
死者が墓場からよみがえり、だんだん若返っていきやがて子宮に帰っていくという異常な世界が舞台。
タバコは煙を吸い込んでいくうち、だんだん長くなっていき、新品の一本となる。
しかし、会話は別に逆さにしゃべらなくてもちゃんと通じるというのがミソ。
もし、そうだったら読みづらくてしょうがないから妥協しているのか。
そういう世界だから、図書館が権力を握っている。
その時代にあってはならない、本や論文を消去していくのが仕事だ。
主人公は、墓場からよみがえった男、セバスチャン。
仕事は、よみがえった死者を墓から掘り出してやる業者の代表者。
彼がユーディ教という宗教の教祖を掘り返したことから騒動がはじまっていく。
彼を手にいれたい教団、秘密裏に処分したい図書館、高く誰かに売り飛ばしたいセバスチャンなどが入り乱れて、かけひきが展開していく。
SF好きにたまらない、ケレン味あふれる作品である。
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