夏目家の福猫
夏目家の福猫 (新潮文庫)
半藤 末利子
半藤末利子「夏目家の福猫」(新潮文庫)を読了。
著者は漱石の孫であり、半藤一利の妻である。
漱石ゆかりの人物や土地についてのエッセイである。
漱石夫人鏡子は猫嫌いであったそうだが、飼い猫を見た出入りのあんま師に足の爪まで黒い猫は福猫だと教えられると、それまでの虐待をやめ厚遇したという。
そして、その猫をモデルにした小説「吾輩は猫である」が漱石を有名にしたのだから、本当に福猫であったのであろう。
それにしても、漱石の弟子たちは漱石没後、鏡子夫人に借金をしながら返さなかった人が多かったという。
そしてそういう人に限って、有名になっているという。
それはあの人やあの人のことなのかと想像をめぐらせてみる。
しかし、内田百閒だけはしっかり名指しで批判されている。
なんと百閒先生「そんなのとっくに時効だよ」と平然とのたもうたという。
そりゃ恨まれるよな。
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