時計じかけのオレンジ
時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1) (ハヤカワepi文庫)
乾 信一郎
アントニイ・バージェス「時計じかけのオレンジ 完全版」(ハヤカワepi文庫)を読んだ。
昔映画版を見たとき、あんな時代になったらイヤだなと思っていたら、あっという間にそっくりな時代になっちまった。
日本でも、オヤジ狩りやホームレス狩りが日常茶飯事になってしまった。
小説版でも、主人公は何の疑問も持たず、仲間たちと窃盗、暴力、強姦を繰り返す。
そして、警察に捕まった彼は、マインドコントロールによって犯罪を犯せない体にされてしまう。
そうした強制的な心の矯正が是か非かというのがこの本のテーマである。
しかし、その一方で一人の自意識過剰な若者が、やがて自分を客観的に見れるようになっていくという、青春小説であり、成長小説でもある。
そしてそこが映画版より、よりこの小説を奥深いものにしている。
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