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2009/04/18

エロス もうひとつの過去

4087463567エロス―もう一つの過去 広瀬正・小説全集〈3〉 (集英社文庫)
広瀬 正
集英社 2008-09

by G-Tools

広瀬正「エロス もうひとつの過去」(集英社文庫)を読んだ。

集英社文庫版の「広瀬正・小説全集」は全巻買い揃えたものの「マイナス・ゼロ」しか読んでいない。
これでは死んでも死にきれん、ということで今年はこつこつ読もうと思う。

「エロス」は、いわゆるパラレルワールドものである。
あのときああしていたら、どうだったのかは誰しも考えることである。
この小説も、運命の分かれ道で別の道を選択したらどうなったかを描いている。

しかし、だからといってバリバリのSF小説ではない。
というよりは、日本の昭和9年から15年当たりを描いた優れた風俗小説となっている。
広瀬正は、資料を読み込んで、当時の政治、音楽、科学技術などを細かく描写している。
だからSF小説は苦手という人も、さくさく読める思う。
そういえば、宮部みゆきの「蒲生亭事件」も同じ頃を舞台にしてたっけ。

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