エロス もうひとつの過去
エロス―もう一つの過去 広瀬正・小説全集〈3〉 (集英社文庫) 広瀬 正 集英社 2008-09 by G-Tools |
広瀬正「エロス もうひとつの過去」(集英社文庫)を読んだ。
集英社文庫版の「広瀬正・小説全集」は全巻買い揃えたものの「マイナス・ゼロ」しか読んでいない。
これでは死んでも死にきれん、ということで今年はこつこつ読もうと思う。
「エロス」は、いわゆるパラレルワールドものである。
あのときああしていたら、どうだったのかは誰しも考えることである。
この小説も、運命の分かれ道で別の道を選択したらどうなったかを描いている。
しかし、だからといってバリバリのSF小説ではない。
というよりは、日本の昭和9年から15年当たりを描いた優れた風俗小説となっている。
広瀬正は、資料を読み込んで、当時の政治、音楽、科学技術などを細かく描写している。
だからSF小説は苦手という人も、さくさく読める思う。
そういえば、宮部みゆきの「蒲生亭事件」も同じ頃を舞台にしてたっけ。
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