貴志祐介「新世界より」
貴志祐介「新世界より」(講談社ノベルス)を読んだ。
第29回SF大賞受賞作。
1000年後の日本が舞台。
そこではなぜか、人口が激減していて、文明もかなり後退している。
テレビも電話も自動車もない。
その代わり人は呪力という超能力を持っている。
子供たちは呪力が芽生え始めると学校に行き呪力をコントロールする方法を学ばなければならない。
ということで、最初は「ハリーポッター」のようにはじまるのだが、だんだんと社会の謎が明かされていき、冒険や戦争に巻き込まれていくうちに主人公が最後に知った真実とは?
特に登場するいろいろな生物たちのイメージが強烈。
知性を持っていて、人間に奴隷のように仕えるバケネズミ、虎のように大きな不浄猫などが重要な役割をもって登場する。
そして、なんと言ってもこの小説では、世界を征するのはどんな武器よりも、「知識・情報」なのだということを教えている。
だから、影の主役は動物に擬態した移動図書館(ミノシロモドキ)であり、主人公は図書館司書の娘なのである。
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