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2010/08/30

黒い悪魔

佐藤賢一「黒い悪魔」(文春文庫)を読んだ。

文豪アレクサンドル・デュマの父親デュマ将軍(トマ・アレクサンドル)の生涯を描いた作品。
さきごろ完結したデュマ三部作の一作目。
フランスの植民地で貴族である父と奴隷である母との間に生まれたトマ・アレクサンドルは、幼少時代を奴隷として過ごすものの、青年になって軍に入隊するとフランス革命の波にのってめきめきと頭角を現す。
最後には将軍になるものの、同時代にあのナポレオンがいたのが不幸のはじまり。
どうしてもあの男は超えられないと嫉妬にもだえ苦しむことになる。
誰しも思う、同じ人間なのになぜ?という疑問。
圧倒的な実力がありながら、ナポレオンの側近に疎まれ、やがてはナポレオン本人とも決裂してしまう要領の悪さ。
だが、それでもこの男に爽やかな印象が残るのは、ナポレオンと違い革命を己の欲望を満たすために利用するのではなく、奴隷出身であっただけに、フランス革命の理想である平等をどこまでも信じ、実現しようとしたからである。
佐藤賢一が天性のストーリテラーであることを証明してくれた作品である。

黒い悪魔 (文春文庫)
佐藤 賢一
4167773899

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2010/08/22

それでもいい曲はどこかにある

最近あまり音楽に興味がなくなった。
新曲なんかはどうでもいい。
テレビの懐メロ番組で流れる殿さまキングスの「なみだの操」やピンカラ兄弟の「女の道」に涙する40オタクおやじなのである。

とりあえず最近見つけたおすすめの曲はこれだ。
といってもだいぶ前の曲だけど。

平岩英子の「卒業」

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2010/08/01

大江戸神仙伝

石川英輔「大江戸神仙伝」(講談社文庫)を読んだ。

TBSのドラマ「-JIN- 仁」を見たとき、似たようなドラマが前にあったよなと思い出したのが滝田栄主演の「大江戸神仙伝」だ。その原作がこの本。

主人公の洋介は突然江戸時代にタイムスリップしてしまうのだが、製薬会社の研究所に勤めていたころの知識を活かし、江戸の町でたくましく生きていく。とはいってもすることと言ったら脚気を治すぐらいなのだが。それでも江戸時代だと脚気は死に至る病なのだから、洋介を世話する医師涼哲先生は、洋介の「自分は仙境から参った」という話をすっかり信じてしまう。

洋介はやがて芸者のいな吉と所帯を持つようになるのだが、現代に残してきた恋人流子も忘れがたいというなんとも気の多い男なのである。

まあ男の願望充足小説なので、ストーリーは気持ちのいいほどに、洋介の思いどおりに進むので、そこが玉に瑕かもしれません。

大江戸神仙伝 (講談社文庫)
石川 英輔
4061831178

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