ねじまき少女
ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)
パオロ・バチガルピ 鈴木康士
早川書房 2011-05-20
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パオロ・バチガルピ「ねじまき少女」(ハヤカワ文庫)を読んだ。
うーん主要SF賞を総ナメしたというので読んでみたがイマイチ。
主要登場人物5人の視点で描かれているから、もうちょっとうまく書いてもらわないと読みづらくてしょうがない。
長いわりにカタルシスもないし。
もはや主要登場人物の活躍で事件なり問題が解決するような物語がはやりではないのはわかるが、あまりにもなしくずしに物語が終わりすぎではないか。そのあいだ主要登場人物は右往左往しているだけで、その行動は物語の進行とはあまりに関係なさすぎる。
石油が枯渇してエネルギー不足とか、奇病が蔓延とか、遺伝子操作で誕生した新人類「ねじまき」とかアイデアだけはいいのだが、ストーリーがねえ。
読者が読みたいのは、ジュイディー隊長の活躍で生まれ変わるタイ王国とかかわいそうな境遇から脱出して幸せをつかむ「ねじまき少女」が読みたいわけで、汚い奴らが利権を分け合ってワッハッハのラストがどうも腑に落ちない。
まあこれが大人の小説ってやつなんでしょうが。
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