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2011/11/30

アイの物語

アイの物語 (角川文庫)
山本 弘
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山本弘「アイの物語」(角川文庫)を読んだ。

マシンの反乱により、人類が衰退してしまった未来。
主人公は美少女アンドロイドに捕らえられ、彼女に六つの物語を聞かされることになる。

リレー小説を書くサークルの会員が殺人事件を犯して逃亡中なのを知った会長が、小説を進行させながらその会員を救おうとする「宇宙をぼくの手の上に」。
介護アンドロイドが成長していく姿を描いた「詩音が来た日」。

山本弘は本気で小説で世界を変えようとしている。
この小説の中でも主人公に物語を語るアンドロイドのアイビスに何度も言わせている。
フィクションだからといって、真実より価値がないわけじゃないと。

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2011/11/25

グレイベアド 子供のいない惑星

グレイベアド―子供のいない惑星 (創元SF文庫)
ブライアン・W. オールディス Brian W. Aldiss
4488640036

ブライアン・W・オールディス「グレイベアド 子供のいない惑星」(創元SF文庫)を読んだ。

何ともタイムリーな復刊だ。
宇宙での度重なる核実験がヴァン・アレン帯に影響を及ぼし、そのため放射線にさらされた人類は子供を産めなくなってしまう。
平均年齢は上がり続け老人しかいなくなった地球では、科学文明は崩壊し、人々は小さなコミュニティを作り生活していた。
自分たちの村に凶暴ないたちの大群がせまっていることを知った主人公「灰色ひげ」は、女房や仲間たちと舟で村を脱出したのだが…。

人口が減り続け、絶滅の危機に瀕しながらも人間同士で憎みあい、騙しあい、殺しあう愚かな人類。
彼らの行き着く先に希望はあるのか?

原発の放射能に怯え、高齢化が進行する日本人には人事とは思えない物語である。

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2011/11/06

負けるのは美しく

負けるのは美しく (集英社文庫)
児玉 清

負けるのは美しく (集英社文庫)
集英社 2008-03-19
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児玉清「負けるのは美しく」(集英社文庫)を読んだ。

児玉清の自伝的エッセイ。
いろんな偶然が重なって役者の道に入ったこと。
奥様との出会いと結婚。
映画では目が出ず、テレビドラマの世界に移ったこと。
そして、娘さんの死までが語られている。

ちょっと覗いてやろうという気持ちで入った役者の道がやがて天職だと思えてくるのだから人生とは不思議なものである。
しかし、飄々と生きているように見えた児玉さんだが、人間だものいろいろ悔しい思いもしている。
まだ新人のころ食堂でウェイトレスにサインを求められたとき、いっしょにいた売れっ子の役者にこいつは雑魚だから、サインなんかもらってもしょうがないよと言われたそうである。
役者なんてすぐ辞めようと思っていた児玉さんは、その一言が悔しくて有名になるまで役者をやっていこうと決心したというのだから、ひょっとしてその一言は神さまがその人の口を借りて言わせたのかなんてことも考えてしまうのである。

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