負けるのは美しく
負けるのは美しく (集英社文庫)
児玉 清
集英社 2008-03-19
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児玉清「負けるのは美しく」(集英社文庫)を読んだ。
児玉清の自伝的エッセイ。
いろんな偶然が重なって役者の道に入ったこと。
奥様との出会いと結婚。
映画では目が出ず、テレビドラマの世界に移ったこと。
そして、娘さんの死までが語られている。
ちょっと覗いてやろうという気持ちで入った役者の道がやがて天職だと思えてくるのだから人生とは不思議なものである。
しかし、飄々と生きているように見えた児玉さんだが、人間だものいろいろ悔しい思いもしている。
まだ新人のころ食堂でウェイトレスにサインを求められたとき、いっしょにいた売れっ子の役者にこいつは雑魚だから、サインなんかもらってもしょうがないよと言われたそうである。
役者なんてすぐ辞めようと思っていた児玉さんは、その一言が悔しくて有名になるまで役者をやっていこうと決心したというのだから、ひょっとしてその一言は神さまがその人の口を借りて言わせたのかなんてことも考えてしまうのである。
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