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2015/09/19

推理小説常習犯

推理小説常習犯―ミステリー作家への13階段+おまけ (講談社プラスアルファ文庫)
森 雅裕
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森雅裕「推理小説常習犯 ミステリー作家への13階段+おまけ」(KKベストセラーズ)を読んだ。
これ1996年に出たときすぐ買ったはずなんだけど、ずっと積ん読だった。

表向きは推理作家になるための指南書なのだが、裏を返せば業界暴露本という恐ろしい本。
一応K社とか伏字にしてますが、大手出版社なんて少ないんだから全然無意味。
この本出したせいなのかどうなのか、著者は数年前コンビニで働いていたときの体験をまとめた本を出したきりのような気がする。
出版というのは基本が口約束の世界なので、せっかく書いても原稿料もらえなかったり、ドラマ化の約束が反故にされたりということが日常茶飯事のようです。
そして非常識でバカな編集者とやりとりしなければならないわずらわしさ。
普通の人間なら耐えられないでしょう。
村上春樹ぐらいになれば、編集者も畳に額をこすりつけて原稿を依頼に来るのでしょうが、売れない作家は悲惨です。編集者にゴーマンかまされます。
また、編集者がこれだけバカだとろくな本が出版されていないということもうなずけます。

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2015/09/17

ライバル日本美術史

ライバル日本美術史
室伏 哲郎
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室節哲郎「ライバル日本美術史」(創元社)を読んだ。

美術史をライバルという視点でとらえた本。
なかには生没年がずれていて面識もなかった二人をライバルとしていたり少し無理がある。
最初から恵まれた環境だった人、苦労して成功した人、順風満帆だったのに事件に巻き込まれ転落していく人、それぞれの人生が面白い。
東洲斎写楽が誰だったかも著者は案外簡単にこの人だと断定している。
本格的な美術史は固すぎてとか言う人はこういう本から入ってみたらどうでしょうか。

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2015/09/13

書生の処世

書生の処世
荻原 魚雷
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荻原魚雷「書生の処世」(本の雑誌社)を読んだ。

本にまつわるエッセイ集。本の雑誌の連載をまとめたもの。
著者が書いているように本に救われるってことが人生にはよくある。
その辺のことは本を読まない人間には説明しづらいのだが。
この著者は、本を読んでるか、古本屋を回ってるか、酒飲んでるかでよく生活が成り立ってるなといつも思う。
共働きだからこそなんだろうけど。
肩の力を抜いて生きると人生悪くないもんですよと教えてくれる。
この本に教えられて読みたくなった本も多い。
著者のように東京住まいなら、息抜きにふらりと古本屋に出かけられるのだが、うちの町にはブックオフしかないからなあ。

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2015/09/07

折り紙衛星の伝説

折り紙衛星の伝説 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)
大森 望
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大森望・日下三蔵編「年刊SF傑作選 折り紙衛星の伝説」(創元SF文庫)を読んだ。

やはり酉島伝法の「環形錮」が圧倒的世界観で読ませる。
尊属殺人を犯して環形錮というミミズみたいな虫にされて地中の牢獄に閉じ込められた男の脱獄劇と書いても何が何やらわからないでしょうから、読んでみてください。
そういえば昔似たようなマンガがあった。手塚治虫の短編「ザムザ復活」。こちらも傑作だ。

「環形錮」はややグロい話なのでこの本で一番気に入ったのは草上仁の「スピアボーイ」である。
こちらは異星を舞台にした西部劇とでもいおうか。馬の代わりのスピアという空飛ぶ竜のような動物を乗りこなす男たちカウボーイならぬスピアボーイの物語。
一度挫折を味わった男が見せる意地がかっこいい。

そしてお楽しみが第六回創元SF短編賞受賞作、宮島伊織の「神々の歩法」。
うーん、これいつもの年だと優秀賞レベルで大賞は取れなかったのではないのかな。
職人芸なんだけど、今まで出たいろんな小説のいいとこ取りをしただけで、衝撃を受けないんだよね。
たまには、英断で大賞無しでも良かったんだろうけど、本が売れないこのご時世にそんなことは許されなかったのかな。

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