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2016/01/05

獅子は死せず

獅子は死せず(上) (中公文庫)
中路 啓太

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中央公論新社 2015-11-21
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中路啓太「獅子は死せず」(中公文庫)を読んだ。

今年の大河ドラマ「真田丸」がもうすぐはじまる。
ほとんど期待してないが興味ただ一点、この小説の主人公毛利勝永が登場するかどうか。
大阪夏の陣で活躍したものの、ほとんどのドラマや映画でスルーされてしまうかわいそうな武将である。

物語は大阪冬の陣直前からはじまる。
関ヶ原の戦いで西軍に味方したためお家おとりつぶしになり、土佐山内家にお預けの身となった勝永だったが、名誉回復の機会を得ようと、山内家に冬の陣への出陣を願い出るも、山内家は幕府の目を恐れてか許可しなかった。
そこへ豊臣秀頼からの大阪城に入場してほしいとの密書を持った密偵がやってきて、大野治長は勝永に大坂方の総大将になってほしいと思っていると告げられる。
大坂方に勝ち目はないと思って断った勝永だったが、大坂方に味方せざるを得ない事件が起こってしまう。

毛利勝永がすべてが見えすぎてしまうような頭のよい武将として描かれていて、そんな男がなぜ勝ち目のない大坂方に味方して最後まで戦うのかを読者に納得いくように物語は進んでいく。
勝永自身は最後まで勝利を信じて、素人集団である牢人たちを一個の獅子として戦場で動けるように調練していく。
しかし、その思いを共有できたのは真田幸村ぐらいでほかの主だった武将たちは最後の一花を咲かせる場所欲しさに戦に参加したのに過ぎなかったのだ。
そして家康本陣をくずした真田幸村の名は後世まで残るも、同じ戦場で奮戦した毛利勝永は今でもなぜか影が薄いままなのである。

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